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海外学振→国内PDを応募した時

知人からよく質問される内容を記しておきます

Q.学位取得後,国内PDと海外学振を決めるとき,なぜ海外学振を先に選んだか? 

A.理由は3つあります.

1つめは,なるべく若い時に海外へ行きたかったからです.30前後になると結婚や出産も視野に入ってくるので,海外へ行くことへのハードルが上がります.

2つめは,海外学振では日本に所属がなく,制限が少ないため(助教身分のまま採用の人を除く).

3つめは,学振PDをつかって日本へ帰る方が楽だからです.海外学振で外国へ長く居るうちに,日本のコミュニティからはずされてしまい,職を斡旋されず,日本へ帰る手段が無くなる場合があるそうです.日本で公募が出ていても,公募なんて形だけで実は内輪の出来レースなんてこともあるそうです.アメリカにいるとそんな内輪事情にうとくなります.アメリカから日本の助教等を探して就職活動するのは非常に大変だと思います.学振PDは申請書一本で通るので審査もフェアですし,面接免除で採用された場合は面接に行く必要も無く,アメリカにいてすべての採用手続きを完了できます.僕はアメリカから申請して採用されましたが,スムーズに手続きが進みました.

これと関連して,学振PDも任期3年のうち,2年間は海外で研究することが認められています.これは,こう考えることができます.学振PDで2年間は海外で研究し,最後一年間は日本にもどって所属先を拠点に就職活動ができる.学振PDの利点はそれだと思います.海外学振も2年間海外で研究することができますが,日本に拠点がないので,日本で職を探すならば就職活動をする上では圧倒的に不利です.

今から2年先の将来を考えてみます.2年間海外で研究したあとに,日本へ帰りたいなら学振PDへ応募する,引き続き海外で研究したい気持ちがあるなら海外学振を応募する.という風に僕は考えていました.